胃内容排出速度と薬剤

胃内容排出速度(GER)とは

 胃内容排出速度(GER:gastric Emptying Rate)とは、経口投与された薬物が胃から小腸に移行する速度のことである。

 一般にGERが高いほど小腸への移行が速くなり、薬剤の吸収も速くなる。(吸収部位に特異性を持つ薬物をは例外)

 

GERを変化させる要因

増加因子

 メトクロプラミドドンペリドン(抗ドパミン薬)

 コリン作動性薬

 交感神経遮断薬

 空腹

 

 メトクロプラミドはドパミンD₂受容体を遮断するため、アセチルコリンの遊離が促進する。その結果、腸管運動が亢進しGERが増加する。

 

低下因子

 抗コリン薬(アトロピン、プロパンテリン)

 三環形抗うつ薬(イミプラミン、アミトリプチリン)

 フェノチアジン系抗精神病薬クロルプロマジン

 モルヒネ

 食事

 左を下に横になる状態(幽門が体の右側にあるため)

 

 

胃内容排出速度を上昇させるものはどれか。

 1 食餌

 2 左を下に横になる状態

 3 メトクロプラミド

 4 プロパンテリン

 5 イミプラミン 

 

正解 3